裏の山にはいません
みきちゃんも里帰り出産で、3歳の羊ちゃんにも立ち会ってもらい産めたらと思っていたのが4年前の春のことでした。
それが助産院でのエコーで心臓の病気が分かり、転院を重ねた後、今の病院に行き着き、3歳までに3回手術が必要であることを告げられました。
そして生後半年以内には、一度目の手術の可能性が高いことも。
当時暮らしていたところは私の実家からも夫の実家からも離れ、夫と私と羊ちゃんの核家族。
病院まで行くのに車で2時間かかる上、山道、さらに冬は雪深いところ。
みきちゃんがどういう状態で生まれるのかも分からず、無事出産し退院できたところで、その土地で私はみきちゃんと羊ちゃんを育てていけるのだろうか、みきちゃんが入院したら、誰に羊ちゃんを預かってもらえばいいのだろうか、地元の人の顔を思い出しては戻りたい衝動に駆られながらも、不安や心配と夫があの土地を離れることはないだろうという思いばかりがぐるぐると回っていました。
そんな中夫が家族で暮らすことが大事だと、即座に転居を決断してくれたことに、あの時は本当に救われました。
夫の決断をきっかけに、暮らしていく上でのあれこれはさておいて、私はできるだけみきちゃんがお腹の中で育つようにと、そのことだけに集中できたように思います。
そして何より夫の会社が退職ではなく休職とし、みきちゃんがフォンタン手術を終えるまで夫の復帰を待っていてくれたことで、経済的にも精神的にも支えてもらいました。
羊ちゃんがこちらの幼稚園に入園してからは、幼稚園やお母さんたちから夫の職業を尋ねられる度に、なんと返答したらいいものか面倒臭さを感じるとともに、「子どもは重い心臓病で、治療のために引っ越し、夫はそのために休職中です(こちらでパートで働いてもいましたが)」なんて言ったら引かれるんじゃないかという変な負い目もあり、仲良くならなくても理解してもらわなくてもと虚勢を張っていましたが、いつの間にか友人たちがそっと支えてくれていました。
この4年間家族や会社の方々、夫の関係者の方々、友人、知人、たくさんの方たちに支えられて、ここまでやってきましたが、以前暮らしていたところに家族で戻ることにしました。
みきちゃんがフォンタン手術を終えるまでは戻れるかどうかも決断できずにいましたが、術後の経過も順調であることや家族の理解もあって引っ越すことにしました。
すでに2週間前に引っ越しを済ませ、子どもたちは泥だらけになって遊ぶ毎日。
つい3、4週間前までは家の中にてんとう虫がいるだけで、部屋の隅で逃げるように小さくなっていたみきちゃんですが、こちらに来てからゾウリムシもミミズも大好きなものの一つになったようです。
人間関係に至っては持ち前の陽気さをここでも発揮し、近所のおじさんとも友だちになるくらいの慣れっぷり。
今は庭に穴を掘るのを日課とし、せっせと穴の拡大に努めています。
羊ちゃんはと言うと、いくら3歳まで暮らしていた土地とは言え、転校させることに不安もありましたが、昨日の運動会では楽しそうに頑張っていました。
今後1年以内にはフォンタン後の心臓カテーテルの検査入院もあり、左の上がり気味の横隔膜も心配なところですが、ここで自分たちの暮らしを楽しんでいきたいと思っています。
そして、ブログはひとまず今日でおしまい。
もう私たち家族は、裏の山にはいません。
裏の山にも時々帰りますが、どうぞこちらにも遊びに来て下さい。
みなさん、今までどうもありがとうございました。
またいつかお会いしましょう。
